iPadは近年、文字入力や作業の快適性が向上し、「パソコンの代替」としての立ち位置を強めている。Apple純正のスマートキーボード対応機種が増え、iPad Pro、Air、mini、さらにはエントリーモデルの10.2インチiPadでもキーボードを利用可能となった。さらに、iPad専用のOS「iPadOS」が採用されたことで、よりパソコンらしい操作性が実現されつつある。
とはいえ、タッチ操作を前提とした設計のため、キーボード利用時には操作の手間や不便さを感じる場面も少なくない。しかし、これらの“弱点”は設定を工夫することで大きくカバーできる。以下では、iPadをよりPCライクに使うための3つの裏技を紹介する。
1. iPadにマウスを接続して操作性をアップ
iPadは従来、タッチ操作が基本だったが、iPadOSの登場によりBluetoothマウスに対応。スマートキーボードとの併用で、よりパソコンに近い操作が可能となった。
マウスの接続は「設定」アプリの「アクセシビリティ」→「ポインティングデバイス」から行える。「Bluetoothデバイスを追加」でマウスをペアリングすれば、左クリックで通常のタップ操作、右クリックでAssistiveTouchのメニューを開くなどの操作が可能になる。
また、スクロールホイール付きのマウスで画面スクロールやホームへの戻る動作も行える。カーソルサイズも変更可能で、「ポインタのスタイル」から調整しておくと作業効率が上がる。特に画像編集や表作成など、細かい作業ではマウスが威力を発揮する。
2. 待望の「全角スペース」入力が可能に
長らくiPadでは、日本語入力時に全角スペースを直接入力できない仕様が課題とされていたが、iPadOSで「スマート全角スペース」機能が追加され、入力環境が大きく改善された。
この機能では、直前の文字が全角か半角かを判断し、スペースの幅を自動調整してくれる。たとえば「TOYOKEIZAI ONLINE」と入力すれば、自然に半角スペースが挿入される。しかし、「東洋経済ONLINE」のように日本語と英字を連続して入力する場合には、意図しない半角スペースになることもあり、使い分けが求められる。
このようなケースでは、「設定」→「一般」→「キーボード」→「かな」内にある「スマート全角スペース」をオフにすることで、手動での制御がしやすくなる。Shiftキーとスペースキーを組み合わせれば、確実に全角スペースが入力できる点も覚えておくと便利だ。
3. ファイル操作もパソコン並みに進化
iPadOSでは、ファイル管理の機能も向上し、Safariからの直接ダウンロードに対応。これまでPDFなどを開くと、一時的にSafari内で表示されるだけだったが、現在は「ファイル」アプリ内の「ダウンロード」フォルダに保存される仕様になっている。
初期設定では保存先がiCloud Driveとなっているため、他のApple製デバイスと共有しやすい反面、ストレージ容量を消費してしまう。iCloudの利用に制限がある場合や、iPad単体で作業したいときは、保存先を「このiPad内」に変更することで、ストレージ管理がしやすくなる。